日本における貧困問題について

1.日本の子どもの貧困

日本の子どもの相対的貧困

ひとり親家庭の相対的貧困

子どもの貧困の国際比較

2.貧困の世代間連鎖

​ー世代間連鎖について

3.教育をめぐる課題

​ー高校への進学について

​大学への進学について

4.生活全般を巡る課題

​ー就職を巡る状況

5.子どもの貧困の社会影響

​ー社会影響

6.子どもの貧困に対する

     政府全体の取組

​ー政府全体の取り組み

​※その他順次更新予定

​(子どもの貧困の社会影響)

・ 子どもの貧困については、非常に重要な問題でありながら、この問題が日本社会全体にもたらすインパクトを定量的に分析した研究や文献はほとんど存在しない現状にありました。

 

・ こうした状況に対して、日本財団は、2015年12月、子どもの貧困を決して「他人事」ではなく国民一人ひとりに影響しうる「自分事」であると多くの方に認識してもらえるよう、子どもの貧困を放置した場合の経済的影響に関して推計結果を発表しました。

 

・ この推計結果においては、子ども時代の経済格差が教育格差を生み、将来の所得格差につながるという想定のもと、①現状を放置した場合と②子どもの教育格差を改善する対策を行った場合、これら2つのシナリオを比較しています。

 

・ 既に上述のとおり、最終学歴等により所得の格差が存在するため、子ども時代の教育格差が生涯所得に大きく影響することになります。

 

・ 改善シナリオにおいては、現状を放置した場合に比べ、大卒者の増加や就業形態の改善によって生涯所得が増加するほか、所得増に伴い個人による税・社会保障費用の支払いが増えることで、国の財政負担がその分軽減されることになるとしています。

 

・ この日本財団の試算においては、この差分を社会的損失として算出することとし、子どもの貧困を放置した場合、わずか1学年あたりでも経済損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加するという推計結果が得られたとしています。

子どもの貧困がもたらす社会的損失(15歳(2013年時点)の1学年のみ)

・ 日本財団によれば、この結果から、子どもの貧困が、日本経済や国民一人ひとりに甚大な影響を及ぼす問題であることが明らかになるとともに、対策を講じた場合には極めて大きなリターンを期待できることが示唆されたとしています。

 

・ この日本財団による推計結果は、書籍化もされ、各方面で大きな反響を呼びました。仮定に基づく試算ではありますが、貧困問題を自分と全く関係ない他人事として整理してしまいがちなところ、定量的な数値をもって社会に問題提起をしたことは高く評価できると考えます。